方式 × 植物 × 運用
屋上緑化が失敗する原因③
―「方式 × 植物 × 運用」を分離した設計
屋上緑化を、
どれか一つの要素だけで説明しようとすると、
前提として見えなくなってしまうものがあります。
方式・植物・運用を
関係性として捉えたときに初めて整理できる問題が、
屋上緑化には多く存在します。
本稿でいう「方式」とは、
単なる製品や工法を指すものではありません。
層構成、土壌の考え方、排水の取り方、固定方法、
さらに更新や補修のしやすさまで含めた、
屋上緑化が成立するための仕組み全体を指しています。
屋上緑化の失敗で多く見られるのが、
方式・植物・運用を
それぞれ別のものとして切り離して考えてしまう設計です。
たとえば、
・方式は既存のものを先に選ぶ
・植物は後から検討する
・管理や運用は引き渡し後に考える
といった進め方です。
このような分離設計では、
設置直後は問題がないように見えても、
時間の経過とともに不具合が顕在化していきます。
屋上緑化は、
方式 × 植物 × 運用
が掛け算として成立する仕組みです。
どれか一つでも噛み合っていなければ、
失敗は
「植物が枯れる」という単純な形ではなく、
「緑化として成立しない」
「緑が広がらない」
といった形で現れます。
この種の失敗は、
責任の所在が方式・植物・管理のいずれにも特定できず、
結果として問題が先送りされやすいという特徴があります。
方式を選定する段階で、
植物の特性や運用の前提まで含めて
一体として検討できているかどうか。
この視点が、
屋上緑化の長期的な安定性を
大きく左右することになります。